dramatic life 面白きなきこの世を面白く

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救急搬送


先日、うちの選手が練習中に頭を強く打って倒れた。ヤバイと思った僕はすぐに救急車の手配をして、意識を失った選手の名前を呼び続け励まし続けた。



長いラグビー人生の中で何度かこのような事故を目撃したりしているのだけど、、、



今回のはホントにヤバイと思った。



僕自身も気が動転してて、冷静にいろんなことを処理しようとしたのだけど、、、よく覚えてないくらいだ。



一緒に救急車に乗り込み大きな病院に着くと、ほどなくして彼のご両親も見えた。



お母さんは運び込まれるベットの彼を見て、、泣き崩れてしまっていた。。



僕はお父さんに事故の状況をお伝えして、医者からの説明を待ったのだけど、泣き崩れたお母さんに安易に「大丈夫ですよ」などと気休めの言葉はかけられなかった。。



時間がこれほど長く感じたことはなかった。


処置室から出てくる看護師さんに駆け寄り、どうですか?と訊ねてみるのが関の山だった。



ほどなくして、先生から説明があると処置室へ呼ばれた僕とご両親は、、



『CTとレントゲンの結果、、脳内の出血は見られませんでした。また首の損傷もありません。』



との、言葉を聞きふーっと大きく息を吐き、まるで息をすることを忘れていたかのようにやっと呼吸することができた。。



しかし、脳の詳しい状態はわからず24時間は様子を見なければならないため、そのまま入院となった。



まだまだ安心はできない。



一旦帰宅するも、いつ連絡が来るかわからないため、晩酌すらできず眠れぬ夜を過ごした。

(僕はいつからか、あのときくらか、、お酒に頼らなければ眠れない体となっていた。)



結局、午前2時過ぎまで眠れなかったのだけど、、寝なければという思いと、もう今夜は連絡げ来ないだろうと思い1本だけビールを飲んで無理やりベットに入った。



翌日になっても、僕のモヤモヤとした不安は晴れなかった。。。




翌日の昼過ぎに、その選手のお母さんから連絡があり、MRIの結果、、、やはり脳の前頭葉に損傷が見られるとわかり、、ますます僕は気が重くなった。。



仕事が終わり、病院に駆けつけたところ、、嬉しいことに本人は意識が回復し多少話ができるようになっていた。



ご両親に連絡を取ったところ病院に向かっている最中だと言うことで、少し待ってお話を伺うことにした。



途中で看護師や医者も来て、話を伺うことができた。先生からの話では、、、


脳に損傷が見られること。


手術はせず、このまま回復を待つこと


『時間はかかるかもしれないが、元の生活に戻れるようになること!!』



と聞き、、、安心したのか、、昨日からの緊張と寝不足で弱っていた僕は、、その場にへたりこんでしまった。。



ともかく、、良かった。。。



めちゃめちゃ怖かった。。。



その後、ご両親とも2時間近く和やかに話して、今後のことや昔のことを話し合った。。



彼も虚ろながらも、普通に会話をすることができていて、最後には、


「お腹減った」


などと、嬉しい言葉を聞かせてくれた。




君にもたくさん心配かけました。。


僕だけだったら、倒れてしまいそうな事案だったのだけど、、君がいてくれたお陰で、僕の話を聞いてくれたお陰でなんとか冷静を保つことができた。。



君がいるから僕は強くなれる。


君がいるから頑張ることができる。


君はすぐに寝てしまって申し訳なさそうにしてたけど、そんなの関係なくて、君の存在が僕にはとても大きく、僕には君が必要なのだと思い知らされた。。



そんな大切な君と昨日は少しボタンの掛け違いがあったのだけど、、、



それはまた次のお話。



ともあれ、まだ全面的に安心はできないとは言え、ひとまずは良かった。。