dramatic life 面白きなきこの世を面白く

仕事 恋愛 趣味 このつまらない世の中をどう面白く生きるかをテーマに様々な切り口から想いを綴ります。

偶然か必然か⑥


胸のしこりが見つかってからも、病院で乳腺炎ではないか?と言われ安心しきっていた(と思っていた)夏希はそのまま放置していたのだが、、、



1か月後、、、そいつは現れた。。



夏希の胸の肉を食い破り、、やつが顔を出したのだ。。。



これは完全にまずいと思った僕は夏希を伴って大学病院で受診したところ。。。



主治医の女医で平井先生はなんともあっけらかんとして、こう告げた。


「もうね、これ癌なのよ。癌が出てきちゃってるの。」



親父ギャグではないが、僕は頭をガーンと叩かれたように、目の前が真っ暗になったのを覚えている。。



これから、細かい検査の後に治療方針を決めていくと言われたらしいのだが、、僕はほとんど立っているのがやっとだった。。



どうやって戻ったのか記憶にないのだが、車まで戻ると、、、僕は感情が爆発した。。。



「うぁぁぁぁ。。。夏希ぃ。。。。ごめんなさい。。。僕が最初に気づいてたのに、、、。あのとき僕が無理矢理にでも精密検査まで連れてきていたら、、、僕のせいだ。。。僕のせいで。。。僕のせいで、、、夏希が死んじゃう。。。うぁぁぁぁ。。。」



「ねね、ちょっと。あたし、まだ生きてるんだけど(笑)あたしだって、泣きたい位なのに、、そんな泣かれたら泣けないじゃん(笑)」



「うひぃぃぃ。。だっで、、嫌だんだよ。。」



「あのさ、、、さっき先生に癌宣告されたときから考えてたんだけど、、あたしたち別れよ?元気な娘を探した方が良いよ。もし、今後一緒にいてあたしが死んじゃうことになったら、あなた壊れちゃうよ?」



「嫌だ。嫌だ嫌だ、絶対嫌だ。。。僕は夏希とずっと一緒にいるんだよ。僕が壊れたっていい、、、一緒に戦うんだよ。ずっと夏希の支えになりたいんだよ。。。」



「うぅ。。。。ありがとう。。。。ほんとはね、、こうなるんじゃないかと思って怖かったの。。あなたに嫌われるんじゃないかと思って、、怖かったの。。。」



僕らは抱き合って声を上げて泣いた。。

そして、、ここから、僕らの戦いは始まったのだ。。